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揚げ物と一緒に食べるべき食材5つ

揚げ物
池田 昇平
サッカーとバレーボールを愛する管理栄養士です! 病院で病態栄養士として勤務しながら特定保健指導にも携わりました。 現在は多くの人が健康を考えるキッカケになれるよう活動しています。 会社HPはこちらFacebookはこちらTwitterはこちら

投稿日:2016年5月9日 更新日:

揚げ物と一緒に食べるべきものは

突然ですが、皆さんは揚げ物料理は好きですか?

 

私は好きです。とんかつはサクッと揚げられた衣に柔らかい肉、ほのかな甘味のある肉であれば尚美味しい。そこに少量のソースとごまをかけて頂く。とんかつが食べたくなってきました(笑)その他に天ぷらも好きです。串かつとかも。食材の味が活かされるのと、なんといってもビールに合う!
ただ、そのまま何も考えずに食べてしまうと油の過剰摂取に繋がることは明白ですね。どうしても食べることを避けられないタイミングもあります。付き合いや会食、お祝いの席などで揚げ物が出てくることもしばしばだと思います。そんな時に自分で調整できることもありますので、今回は一緒に食べるといい食材・栄養素をご紹介します。

 

油の吸収を抑えてくれる食材


食材にはいろいろな機能が備わっていて、食べ合わせなども昔からの言い伝えも多くあります。最近はその科学的根拠が解明されたり、食材の新たな機能が発見されたりと情報が目まぐるしく変化しています。

テレビでも頻繁に食べものの健康効果について報道があっていますよね。これからは油料理と一緒に食べると体の中で油の吸収を抑えてくれる食材を紹介します。

食物繊維

食物繊維を多く含む野菜

油がそのまま体に吸収されないために「野菜・キノコ・海藻類」を食べましょう。野菜に含まれる食物繊維をいかに取るかが重要なポイントです。

食物繊維は栄養素の消化吸収をゆっくりにしてくれるので、食後の血糖値や中性脂肪の上昇を緩やかにしてくれます。また余分なコレステロールも外に出す作用もあります。そのためか揚げ料理の付け合せに野菜がついてくることも多いですよね。

エリンギ

キノコの一種であるエリンギを一緒に食べることで食後の中性脂肪上昇を抑える効果を期待できるようです。きのこで有名なHOKTO株式会社が実施した研究は以下のページから確認できます。

エリンギエキスがリパーゼという酵素(脂肪を分解して吸収しやすくする)の働きを抑えるので、脂肪の吸収が抑えられ中性脂肪上昇を抑えることに繋がるようです。研究はラット・ヒトの両方を対象とされ効果が検証されているので一定の信憑性はありそうですね。

HOKTO株式会社:エリンギによる中性脂肪吸収抑制効果

キチン(キノコなどからの抽出物)

キノコの一種であるエノキタケの抽出物を一緒に食べるのも効果的という研究があります。前出のエリンギエキスと似ていますね。

キチンはエビやカニなど甲殻類に含まれるほか、イカなどの表皮、きのこ類の細胞壁に含まれます。キトサンはキチンから生成される成分です。

こちらのグラフはそのキトサンの効果を検証した実験です。上の図は食前にキトサンを0.3g摂取した効果、下の図は食後に1.0g摂取した効果を比べております。グラフを見てみると食前に摂取したほうが中性脂肪の上昇を抑えられていることがわかります。

キノコの中性脂肪の上昇抑制効果

被験者の母数が少なく、研究の実施者が公開されていないので少し信憑性には欠けているかと思われます。エリンギだけではなく、きのこ類には中性脂肪の上昇を抑えるキチンが含まれているので、積極的に食べましょう!

ヨーグルト・乳酸菌

あるヨーグルトに含まれる乳酸菌によって食後の中性脂肪上昇が抑えられるというものです。すこし前に流行した「カスピ海ヨーグルト」です。こちらに含まれる菌の一種「クレモリス FC 株」の牛乳発酵物が効果を持っているようです。

ヨーグルトの血中脂肪への効果

引用)高コレステロール食負荷モデルに対する Lactococcus lactis subsp. cremoris FC 株(クレモリス FC 株)の効果 フジッコ株式会社

通常の食事と比較されていませんが、HDLの増加、中性脂肪の上昇抑制を期待できるようようです。こちらはラットでの研究でした。

次にR037という乳酸菌を取ることでも食後の中性脂肪上昇を抑えられるという報告の紹介です。2週間、食後にR037をとり続けた結果、血清中の中性脂肪値が減少したという報告です。

乳酸菌の中性脂肪抑制効果

次に、食前にR037をとり食事をした結果、食後の中性脂肪上昇を抑えたという報告です。

乳酸菌の中性脂肪への効果

引用)株式会社カネカ 注目の成分 R037乳酸菌

R037という乳酸菌も食後の中性脂肪上昇を抑えるだけでなく、継続的な摂取で中性脂肪を低下させる程の結果があることがわかりました。どちらの実験とも対象者はヒト(男性)でした。こちらは一般的な食品には含まれておらずサプリとして株式会社カネカより販売されています。

難消化性デキストリン

こちらは現在、トクホの商品に含まれていることが多い成分で、食物繊維と同じような機能があります。「食後の血糖値が〜」とか「脂肪の吸収を緩やかにする〜」というキャッチコピーで流通しています。

この成分を配合すると特定保健用食品に認定されることが多いため、トクホの商品に入っているのをよく見かけます。例をあげたら枚挙にいとまがないほど商品があります。その効果の研究の中から一つご紹介したいと思います。

ファストフードを食べる際に難消化性デキストリン配合のドリンクを飲んだかどうかで、血中の中性脂肪上昇が抑えられるという報告です。

難消化性デキストリンには中性脂肪抑制効果がある

出典)European Journal of Nutrition(2007)

次に1日3回10日間、難消化性デキストリン5gを配合した飲料を摂取した場合とそうでない場合を比較した研究結果です。難消化性デキストリンを継続的に摂取すると脂質の排泄量が多くなっていることがわかります。

難消化性デキストリンの中性脂肪排泄量

出典)Journal of Health Science,55(5)838-844(2009)

食物繊維の一種である難消化性デキストリンによって、脂質は吸収されにくく排出されやすくなる、ということですね。

 


食事の脂肪から体を守ってくれる食材


これまでは揚げ物を食べた時に中性脂肪が上がらないようにする食材や成分をお話してきました。これからは脂物を食べた時に体にかかる負担を軽くするために食べるべき食材をいくつかご紹介します。

キャベツ(ビタミンU)

揚げ物と一緒にキャベツを食べるべき

キャベツです。脂っこいものを食べる前にキャベツを食べることをオススメします。冒頭で話をさせていただいたとんかつには、必ずと言っていいほどキャベツが添えられて料理が出てきますよね。某チェーン店ではキャベツのおかわり自由というサービスもやっています。そのキャベツには重要な栄養素である「ビタミンU」が含まれています。

ビタミンUは胃粘膜を保護するという機能があります。ビタミンUのUはulcer(潰瘍)の頭文字をとられるほどに体にとって有益と昔から捉えられています。熱に弱く水に流れてしまう特徴がありますので、食べるときはなるべく生で食べることが理想的です。

油は水に溶けないですよね?揚げ物が胃に入っても胃酸と混ざらずなかなか消化が進みません。すると体はより多くの胃酸を出して食べ物を消化しようとします。

通常よりも多く分泌された胃酸が胃粘膜を攻撃してしまい、その部分が炎症を起こして胃もたれの原因になるのです。ヒドくなると傷を作り、穴まであけてしまうのが胃潰瘍です。その胃粘膜の保護に一役買ってくれるのがビタミンUなのです。

ビタミンUは実を言うとキャベツ以外にも含まれています。ブロッコリーやアスパラガスにも含まれていますので、ぜひ下部の表にある食材も一緒に食べてくださいね。

野菜に含まれるビタミンU
引用)カゴメ株式会社 野菜大全 キャベツ

大根(大根おろし)

揚げ物と大根おろしの相性

大根です。特に「大根おろし」を一緒に食べることをオススメします。理由は大根が三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)に対して消化酵素を含むため、食事をした時に消化吸収を助けてくれるからです。「おろし」て細胞を壊すことにより消化酵素が出現し、体がより効果的に酵素を利用することができます。

中学生のレポートですが教員も一緒に取り組んでおり、非常にわかりやすい内容でしたのご紹介します。ぜひ元のレポートも1度御覧ください。一般的に研究されている内容は言葉など難しいですが、こちらは比較的わかりやすく読みやすいと思います。

焼きさんまと大根おろしの科学的相互関係(大洲市立大洲南中学校 第3学年 山 崎 直 哉 、指導教諭 山 下 祐 生)

今回は揚げ物についてなので脂質の部分を抽出してお伝えしたいと思います。実験の1部の内容は水と大根汁(おろした時の水分)の両方に牛脂を入れて放置した後の反応を見るというものです。

水では表面に油が浮いてきましたが、大根汁では油が浮いてこないという結果となりました。大根汁の方にもう一度牛脂を入れて表面に油膜が出るまでかき混ぜて放置をしても、なんと再度油膜がなくなったという結果となりました。ここから大根汁には脂肪の分解酵素があると導き出しています。

実際に大根には油の分解酵素であるリパーゼを含んでいるため、牛脂を分解する結果となっております。

大根にはまだまだ多くの機能がありますが、超大作になってしまうのでこちらでは控えさせていただきます。

 


まとめ


揚げ物と一緒に食べるべきなのは

  1. 野菜の食物繊維
  2. キャベツやブロッコリーなどのビタミンU
  3. きのこ類(エリンギなど)のキチン
  4. 難消化性デキストリン(別途購入が必要)
  5. ヨーグルト(カスピ海ヨーグルト)や乳酸菌

上記5つです。

1~3は食材から簡単に取れるものですので、体のためにもぜひ食べていただきたいです!4や5は日常生活でどうしても1~3が食べられない方にオススメです。

これで、ダイエット中に揚げ物を食べる機会があったとしても安心ですね!

人生最後のダイエット…してみませんか?

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